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フランスはモンタルジーのアトリエから、 隔月で発信いたします。内容はステンドグラスに 限らず、様々なものをお届けしようと考えております。お楽しみに! |
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●第33号(2006.6.2)●
あとりえだよりの発信が遅れに遅れてしまいました。いつも楽しみにしていただいてる
方々すみませんでした。私の入れたシャトーナー教会のステンドグラスの落成式や
その前に同じシャトーナー市で行われた職人達のイベントの準備等々で、
なかなか時間が取れず、ついに6月となってしまいました。
気が付けば桜も菜の花もすっかり終わってしまい、今はペチュニアや薔薇、しょうぶがモンタルジーの
町を彩る季節となりました。先日はやっと夏に向けて、庭にトマトの苗を植えたところです。
今回は、その5月7日に行われました、ステンドグラスの落成式の模様を
お伝えしたいと思います。(写真:落成式の行われたシャトーナー教会内部)
シャトーナー市は、モンタルジーの町から車で20分ほどのところにある、小さな美しい町です。
2001〜5年にかけて、私が市の教会であるサンテティエンヌ教会の北側のステンドグラスを制作施工しました。
四季をモチーフとした窓を4箇所、
一番奥には、ルルドの泉(聖母マリア)をイメージしたものを抽象的なモチーフでデザインしました。
今回シャトーナー市及び教会のオルガン友好会の方々が、新しいステンドグラスの落成式を
企画してくださり、ステンドグラスのお披露目と詩の朗読及びオルガンの楽曲演奏を盛り込んだ
イベントが開催される運びとなり、無事に終了いたしました。
シャトーナー市市長をはじめ、教会の神父さん、地元や近辺の方々が大勢来場され、いつも静かな教会が
この日は人であふれました。
写真は落成式開催のスピーチ。
隣はシャトーナー市オルガン友好会のマルランジュ氏。
プログラムは、開催のスピーチに始まり、その後ステンドグラスのモチーフである、
四季(春夏秋冬)を題材としたフランスの詩の朗読と、オルガンの演奏が行われました。
詩はプロの俳優の方が、荘厳なオルガンの響きの中、身廊や祭壇をゆっくりと歩きながら朗読してくださり、
教会内はまるで演劇の舞台のワンシーンのようでした。ステンドグラスと詩と音楽が一体となったような感じがし、
大変感銘を受けました。
ちなみに詩は、春−シャルル・ドルレアン、夏−ラウル・セスタン、秋−ラウル・セスタン、冬−イヴ・ボンヌフォワ
のものでした。
四季のステンドグラスにちなんだ詩と演奏が終わると、ステンドグラスを鑑賞するための時間が取られました。
みなさん席を立って、興味深そうにそれぞれのステンドグラスを眺めていました。
自分ではそう思わないのですが、フランス人の方々にとっては、私のデザインは
とても日本的だとのことです。抽象的で現代的なスタイルですが、地元の方々はみなさん
喜んでくださいました。フランスは保守的なところも多々ありますが、新しいものに対しても
かなり柔軟なところがあるのを住んでいてよく実感することがあります。
写真は、イベント終了後、教会の神父さんがオルガンを見せてくれるというので、
その時に撮らせていただいたものです。オルガンは初めて近くで見ることができ、木工の
好きな私にとってはとても興味深い楽器でした。パイプはなんと鉛でできているのだとか。
ステンドグラスも鉛の桟を用いますから、共通するところがありますね。
この日演奏していただいた方は、アンドレ・シエキエルスキさんとマキシム・カンポさんという方。
(注:写真は神父さんです。)
鑑賞タイムが終わると、プログラム後半です。最後は一番奥の聖母マリア−奇跡(ルルド)の泉を
モチーフとしたステンドグラスのための、詩の朗読とオルガン演奏が行われました。
この窓は高さが5メートル近くあり、今回の制作の中でも一番時間を費やした大きな
ステンドグラスです。詩は、ジャン・マンドリノ。
今回のあとりえだよりは、写真でしかお伝えできないのが、とても残念です。教会内に響き渡る
オルガンの音色と、フランスの詩の音色、そしてステンドグラスの色と光という視覚的なものが加わり、
大変意義のある芸術的なイベントでした。このような形で人々に私の入れたステンドグラスが
認知されるとは思いもよりませんでしたが、末永く人々の癒しの光となるよう、願わないではいられません。
イベント開催に関わっていただいた方々に感謝いたします。
落成式を含めた3日間は、市内で『Rencontres de l’Artisanat en Gatinais』
(ガティネ地方の職人たちとの出会い、とでも訳せばよいでしょうか)というイベントも
開催されました。、モンタルジー周辺2〜30キロ以内のこの辺りをガティネと呼ぶのですが、
この辺りに住む職人たちの紹介というか、技術を紹介するような展覧会がありました。
私もステンドグラス職人としてこのイベントに参加し、ステンドグラスの技術や
工程などを一般の方々に紹介すべく、デモンストレーションを行ったり、制作工程を
説明したり、ということを行いました。ステンドグラスはヨーロッパが本場とはいえ、一般の
方々は、なかなかステンドグラスがどうやって、何でできているのかなどは知るチャンス
も少ないようで、たくさんの方が訪れ、いろいろな質問を投げかけては、こちらの答えに
興味深げにうなずいていました。他にも家具職人や、いすやソファーの修復職人、クリスタル、
ギター作り、衣装などのプロフェッショナルが参加していました。
こうやって普段は見ることのできない職人の世界を、職人と直に接することによって、
垣間見ることができるイベントで、伝統の職のすばらしさを感じ取れますし、またそれに興味を持つ若い
人々を増やす、といった目的もあり、これもまた意義あるイベントだなと思いました。
地元の小学生や中学生も学校教育の一環で見学に来ましたが、子供達の興味津々な
目や素朴な質問には、とても印象深いものを感じました。
下の写真は、鍛冶屋さんと、製本屋さん。
以上2つのイベントが無事終わりほっとしました。
フランスに住むのが長くなるにつれ、地元の方々との知り合いや
ふれ合いも自然徐々に数が増え、また今回のイベントによって
更に一般の人々とコミュニケーションが取ることができました。
ステンドグラスのすばらしさが、フランスの人々にも、また日本の
人々にも伝わるよう、自分もその一助ができればいいなと
思うしだいです。
写真はシャトーナー市の町並み。のどかないいところです。
チャンスがありましたら是非訪れてみてください。
次回の「あとりえだより」は、8月上旬に発信予定です。
お楽しみに!
ご感想等もお待ちしております。
Au revoir! A la prochaine!