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Création et Réstauration de vitraux ホーム バックナンバーへ戻る



あとりえだより
フランスはモンタルジーのアトリエから、隔月で発信いたします。
内容はステンドグラスに限らず、様々なものをお届けしよう
と考えております。お楽しみに!              



●第15号(2003.4.4)●

「Eglise de Zetting (ゼッタン教会)」



ここモンタルジーにも春がやってきました。
先週末よりサマータイムとなり、あちらこちらに
桜や桃の花が咲き、その他木々にも新芽が出始め
景色がやわらかくなってきました。
我が庭にも桃の木が1本あるのですが、
ピンク色の花が咲き始め、今年もたくさん実が
成ればいいなと願っています。

今回はZetting(ゼッタン)教会のステンドグラスを
紹介いたします。
こちらの留学プログラムの中の課題のひとつで、
ここを既に終了して日本に帰国された方も
なつかしく思われるかもしれません。
昨年訪れた時に撮ってきた写真を紹介したいと
思います。
写真はイエスキリストの物語の一部。聖母マリアと
イエスキリストです。




この教会はロレーヌ地方のゼッタンという小さな村
にあり、丁度Mets(メッス)から60km東に位置します。
比較的近くにストラスブルグやナンシーといった
大きな町もあります。

村のすぐ近くには運河が流れ、多少起伏のある
土地で、木々が生い茂る中にこの村があります。
教会もこのステンドグラスのことを知らなければ
通り過ぎてしまうような小さなもので、少し坂道を
上がったところにひっそりと存在していました。

教会自体は最初は9世紀ごろから建築され始め、
ロマネスク様式や多少のゴシック様式が混ざった
姿をしています。

写真は教会の姿。実は教会の外観の写真がうまく撮れず、
これは教会について書かれた本より引用しました。
(なので白黒です。)






この教会は、ドイツ、フランス国境近くという土地柄
ゆえ、さまざまな歴史の渦の中をくぐりぬけなければ
なりませんでした。
30年にわたる戦争での悲惨な出来事の中では、
ステンドグラスが一旦取り外されたり、
他の教会に取り付けられたり、はたまたそれを
ドイツ軍がまた奪って、裁判所の倉庫に置かれたり
等々場所を転々とし、戦後、最終的には
メッスの大聖堂の地下礼拝堂で発見されました。
その後パリの工房で洗浄、修復された後、1948年に
ここ生まれ故郷のゼッタンに元どおり取り付けられた
ということです。

写真は、教会内部。大きく3つの窓に分かれており、
左が旧約聖書の物語、中央はキリストの磔刑図、
右はキリストの生涯が描かれています。





写真は旧約聖書の物語の部分です。
ぶどうの枝やつるが交差する中に、物語の
ワンシーン(アダムとイヴ、ノアの箱舟、モーゼの
十戒等々)が赤、青、黄、紫などのカラフルな
ガラスの組み合わせの中に描かれています。

人物の衣服や手に持っている道具などは
当時15世紀のものだそうで、作者は聖書の物語
を描く上で、その当時(15世紀)の慣習や環境を
盛り込んでデザインしたようです。








長い年月を経て、無事今までこのような姿で
保存できたのは奇跡的で、その時々の人々の
信仰心や情熱に守られたからこそでしょうか。
デザインは絵本的というかかわいらしい
感じで、子供にもわかりやすいだろうなと
思います。
写真を見てもわかるように、人物の表情が
活き活きと描かれ、ガラスの色合いも非常に美しく
実際にこの目で見て、大変貴重なものであると
痛感しました。




  




    写真は、モーゼの”Buisson d'Ardent(燃える柴)”
    の物語部分です。
     こちら本物ではなく、こちらアトリエで模写したものです。
    
    写真ではちょっとわかりませんが、ガラスの裏側を
    フッ化水素で腐食し、何百年もの月日を経たような
    風合いを出してみました。






上記は、この地域の教会の資料を参考と
いたしました。
今後もいろいろな教会のステンドグラスを
紹介していきたいと思っています。
何気なく見ているものでも、いろいろと調べると
歴史や題材モチーフの意味などが分かり、
よりいっそうステンドグラスの世界が頭の中で
広がっていくのを感じます。

右は最初に触れました庭の桃の花です。
毎年秋になると実が生ります。
日本の桃ほど立派ではないですが、
右は最初に触れました庭の桃の花です。
毎年秋になると実が生ります。
日本の桃ほど立派ではないですが、
そのままでも食べることができますし、
コンポートなどにしてもおいしいです。

次回の「あとりえだより」は、6月上旬に発信予定です。
お楽しみに!
ご感想等もお待ちしております。
Au revoir! A la prochaine!


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